オープンフォーラム

東日本大震災から1カ月余りが経ちました。
被災地・被災者の皆様には心からのお見舞いを申し上げますとともに、犠牲になられた全ての方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみ申し上げます。
震災が起こってからの自粛ムードもあり、自身も出かけることなどを、ここしばらくためらっていましたが、先週末、慶応メディアデザイン研究科の石倉洋子先生が開いたオープンフォーラムに参加してきました。
Ustreamでも配信されたので、ご覧になった方もいらっしゃったかと思いますが、参加を希望した一番の理由がIdeasLabというブレーンストーミングのやり方に大変興味があった事。
よくダボス会議などの国際会議の場で、この方式が取られているそうなのですが、番組の中でも、こういう手法を取り入れることはできないかと、まずは自分で体験を、と考えたのがきっかけです。
具体的にどんな方法でやるのか。
今回のケースでは、まず5人のプレゼンターが自身の企画している、もしくは既に実行しているプロジェクトやビジネスについて5分間でプレゼンテーションします。
そして、プレゼン終了後、それぞれプレゼンターが今抱いている課題や、意見を出してほしいトピックなどを挙げます。
そして、参加者はそのプレゼンの中から、自分がディスカッションに加わりたいグループに入って、30分間、皆でプレゼンターの質問や課題への解決策をブレーンストーミングし、最後にそれをレポートバックしてまとめるという流れです。
私がJoinしたのは「Bike Sharing(バイクシェアリング)」を議論するグループ。
そもそもバイクシェアリングとは、よくヨーロッパなどで使われているシステムで、カーシェアリングの自転車バージョンと言えば分かりやすいでしょうか。
例えば、現実に起こっている問題として、大学のキャンパスが広く、クラス移動の際に時間がかかるなどの不便さを緩和させるために、多くの学生が自転車を購入し、移動に使っているそうですが、往々にしてそれらの自転車を置いたまま卒業してしまうので、放置自転車が増えて困るという大学側の事情があるのだそうです。
そこで、このバイクシェアリングのシステムを使って、余っている自転車を管理し、借りたい人が登録をする形で安価に使いたい時に自転車を使える仕組みを作ってみたらどうか、というのが一つの提案でした。
また、このシステムを日本で他にどのような場面で使えるのか、どうやったらこのシステムを拡充していく事が出来るのかもディスカッションポイントでした。
考えてもみれば、昨今の健康志向もあるし、震災をきっかけにして自転車通勤をする人も目立ってきています。
そして何より、私自身もこのシステムがあればと願う一人です。
スタジオがある大手町から、例えば八重洲に行く時など、交通の便の悪さに自転車が欲しい、と何度思った事か知れません。
勿論、駐輪スペースはどうするだとか、自転車が走れる道路としての整備がなっていないなどの問題・課題も山積です。
しかし、こういうニーズは確実にありそうです。
また、省エネやECO社会の実現のため、慢性的な渋滞を解消させるためにも経済産業省もバイクシェアリングを後押ししているとも聞きますし、流れとしては、フォローの風が吹いているように見えます。
・・・などと、一つのプロジェクトやビジネスについて、ああでもない、こうでもないとブレストしているうちに、非常に面白いアイディアや意見が次々と出てきます。
ダボスもそうですが、こういうブレーンストーミングはバックグラウンドがそれぞれ違う人たちが集まってこそ、より深く、そして思ってもみなかったような斬新かつ画期的なアイディアが生まれるのかもしれません。
このIdeasLabというブレスト形式は、様々な場面で使えそうです。
それにしても、ダボス会議のように各界のリーダー達が集まるブレーンストーミングでは、一体どんな思考が飛び出し、どのような結論が見出されるのか。
是非いつかその場で世界トップの人々のアイディアの応酬を楽しんでみたいです。