自由に思いを綴る場所

谷本有香のエッセイやコラムなど。

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「情報収集」に関する講義の講師をやり終え、改めて質の高い情報を吸収する事の大切さについて考えています。
いまや、新聞や雑誌、ネットと様々なソースから情報を取る事が出来る大変便利な時代になった一方、目や耳から無意識のうちに入ってくる溢れんばかりの情報は、時に人間に負荷をかける存在にもなりました(「情報洪水症候群」なる心のストレス症状もあるそうです)。 どういう媒体を使って情報収集するのかは勿論大事ですが、いかにそれらを取捨選択していくか、どのようにそぎ落としていくのかも問われています。

情報と言えば、私が尊敬してやまぬ常に前向きに世の中を変えて行こうとアクションを起こしている友人や知人たちは、私にとって最も重要な情報ソースの一つです。彼らが今何に興味を持ち、何を見、何を考えているのか。そこからは、今の社会や世の中の問題点もさることながら、その先にある新たなトレンドやムーブメントが見えてきます。そんな彼らの何人もから同じコトバが最近よく聞かれます。あまりにも皆が口々に言うので調べてみたら、私もすっかりハマってしまった。それが「TED」です。

TED(Technology Entertainment Design)とは、米カリフォルニアで講演会を主催している団体で、「Ideas worth spreading (広める価値のあるアイディア)」のある活動を行っている人々に、年に1回開催されるカンファレンスにおいてプレゼンする場を提供し、インターネットを通してそのアイディアを世界に広める活動を行っています。

韓国で行われた国際会議を一度取材させて頂いた時の衝撃から、それ以降、私もダボス会議のような世界の様々な分野を代表する人達が集まり、世界経済や社会の改善に取り組むための議論を間近で見てみたいという欲求が次第に高まっていました。普段から一流の人の話を伺う機会は多いものの、賢人たちが集まった時の化学反応というのは凄いものがあります。まさに知性がスパークする瞬間を見る感じです。そんな思いもあり、ダボス会議にジャーナリスト枠で参加できないものかと可能性を探ってみましたが、推薦がないと駄目な上に、既に制限されているので難しいとのこと(でも、いつかは出てみたいです)。勿論、Webサイトでダボス会議の講演の一部は見られるのですが、とにかく一つ一つが1時間以上と非常に長いので、ちょっと見てみようという感じではなかなか手がつけにくい。かなりの気合が必要です。

そんな時に出てきたのが、このTED。
政治も経済もテクノロジーも社会も教育も、なんでも自分が興味を持っていることを、世界の最先端で活躍している人物がわずか18分の講演で最新の情報を提供してくれる。それは世界に開かれた最高峰の教育メディアと言えるかもしれません。わざわざ海外の有名大学に入らなくとも、クリントン元大統領やビル・ゲイツ、アル・ゴアの講演を自宅で聴講する事が出来るのです。
しかし、こういうものを見続けていると、やはりその場で体験してみたくなるのが人情。講演会に出席するには会員になる事が必要で、年会費は6000ドルだそう。日本円にすると約50万円。円高でもあるし、考えようによってはリーズナブルだと言えるのかもしれません・・。

それにしても、情報を流すのは放送局や新聞社、出版社などのマスメディアだけだという時代はとっくに過ぎ去ったと感じます。本当に必要とされている情報は何なのか。真に価値ある情報をいまや自ら能動的に選べる時代に変わってきているとの危機感を持ちながら、情報を発信する側として取り組んでいかなければ、としかと心に刻みました。自戒を込めて。

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