コンプレックスと規制改革

自分の子供には自分が抱いたコンプレックスを少しでも感じさせない人生にしてあげたい―。
これはいつの世も変わらぬ親の願いなのかもしれません。
この連休中、女友達と集まって話を聞く機会を数回持てたのですが、皆、一様に子供たちに英語教育を早くからさせていると言っており、少し驚きました。その他にも、塾やバレエ、水泳など多くの習い事をさせているとのこと。
自分の意思とは別に、親が選んだ子供の今後の方向性を決定づけるかもしれない習い事や学校といった要素は、ややもすると、結果的に子供にとってやりたい事ややらせるべきであった事を犠牲にしてしまう可能性を秘めている一方、潜在性を引き出すきっかけにもなるという意味で、重要なディシジョンには変わりはありません。
そういう私も、色々なコンプレックスの中で、「英語コンプレックス」だけは早期の教育によって何とかなるのでは、と思っている一人です。
実はちょうど私が留学をしていた2003年頃。私の中で起業熱が大いに盛り上がっていた時期で、同時に大人になってから手をつけた英語に四苦八苦していた時期でもあり(それまで英語が大嫌いでずっと避ける人生を送ってきた)、英語教育に関する何かビジネスが出来ないかと考えていました。そこで考えついたのが、ネイティブスピーカーがシッタ―となるバイリンギャル保育所・託児所でした。
親御さんにとっては、子供を預かってくれるという機能の他に、英語などの語学を学べるという機能も加わるというもので、我ながら「こんな託児所があったら子供を預けたい!」と自分のアイディアに惚れこんで、企画書を書いたり、関係者に話に行ったりしていました。
ただ、そんな中で、生まれて初めて「規制」というものを目の当たりにしました。
当然、認可を受けるためには色々な規制を受ける。一方、認可外であると規制は受けないものの、行政からの補助や助成もなく、利用者へ低料金でのサービスも難しくなる・・。
利用者にとってみれば、どちらに子供を預けるにしても、大切な命を預けるわけですから、一定の保育条件を満たされていなくては困りますよね。全ての子供が一定の条件下でサービスを受けられる為に、ある程度の国からの補助なども本当は必要なのかもしれません。
最近は規制を緩和する動きも出てきているようではありますが、まだ絶対的に保育所・託児所の数も少ない上に、サービスのばらつきがあるのが現状です。
それにしても、ここにきて以前に比べて「規制改革熱」が冷めてしまったかのように見える日本ですが、それでも尚、その必要性を訴える方は多いようです。番組などでお話を伺っても、多くの識者が日本経済の復活には「規制改革」が必要とおっしゃいます。
ただ、あまりにも日本は規制緩和が進まな過ぎる。
それは何故か?
政治のリーダーシップがなかったからかもしれません。
既得権益者の力や反発が強過ぎたからかもしれません。
国民の関心が薄く、政治を動かす力がなかったからかもしれません。
メディアが政府の監視役としての機能を失ってしまったからかもしれません。
いずれにせよ、もう「目標」や「すべき論」だけを語る時期は過ぎています。
実際に、いつまでにどうやってやるのか、推進すべき工程を明らかにして、現実的にアクションに落とす時が来ているように思います。
しかし、この規制改革に立ちはだかる「壁」をどう払いのけるのか、どう壊すのか、いまだ具体策や解決方法は見出せていない様にも見えます。ここが一番大きなポイントにもなりそうです。
次回、識者の方にお話を伺う機会があったら、この部分を中心にお話を伺ってみたいです。